目指せサラリーマンオーナー!新人が不動産投資で稼げるのかプランニングしてみた(2)
不動産投資において数字で検討すること
こんにちは、不動産投資勉強中のウエノです。さて、前回は「不動産投資のリスク」について(https://corp.next-step.co.jp/archives/208)整理をしまして、今回は「不動産投資で利益」を得るにはどうしたら良いのか。何に着目したら良いのか。というところをご紹介していきます。
不動産投資で利益を得るための2つの手法
大きく分けると下記の2つに分類されます。
- 家賃収益で儲かる(これをインカムゲインといいます)
- 物件を購入して転売し、その差益で儲かる(これをキャピタルゲインといいます)
<用語解説>
インカムゲインとは…保有する資産によって得られる収入のこと。
キャピタルゲインとは…保有する資産の値上がりによって得られる収入のこと。
不動産会社の視点から見るとキャピタルゲインだけを求めて事業をされている方よりも、インカムゲインとキャピタルゲインの両方を見ながら事業をされている方、つまり「購入してから売却するまでを見ている方」が多いです。他には、先祖代々継承してきた土地を守る地主系のオーナーはインカムゲインを重視する方が比較的多いです。
利回りを理解する「収益性=利回り」
不動産以外にも投資について学ぶ際に出てくる言葉がこの「利回り」です。利回りとは、利益(配当)の元金に対する割合の事です。
この時点で、気をつけて頂きたいことが、不動産投資の場合には「表面利回り(グロス)」と「実質利回り」の2つの指標が存在するということです。不動産会社の物件資料や検索サイトに表示されているのは「表面利回り」の場合が多いです。「表面利回り」は物件取得時の経費や運営コストを加味していないため、それを加味した「実質利回り」よりも割合が高くなるため、この違いが分からないと想定通りの収益を得るのはかなり困難です。
因みにこの「実質利回り」で得られた利益をNOI(Net Operating Income)=営業純利益といいます。
さあ、聞きなれない言葉や英語が出て来て小難しくなってきましたね。しかし、不動産投資で利益を得られるか試算ができるようになれば、あなたが良いなと思った物件が本当に収益を上げられる物件か判断しやすくなります。これから専門用語も多数登場しますが、めげずに頑張りましょう!
物件の表面利回りを計算してみよう!
下記の条件の収益物件があった場合で計算してみましょう。
<条件>
物件名:Aハイツ
総戸数:10部屋
間取り:1K
販売価格:60,000,000円
年間家賃収入:6,000,000円
表面利回りを求める計算式は下記のとおりです。
表面利回り(%)=家賃収入÷物件購入価格×100
6,000,000÷60,000,000×100=10%
この数値は購入検討の際にも使えますが、それについてはまた改めて触れることにします。
実質利回りについては、もっと情報が必要です。募集している不動産会社に問い合わせて情報を取得しましょう。
物件購入時のコストや運営コストについて確認します。
【物件購入時のコスト】
・仲介手数料
・印紙税
・司法書士手数料
・登録免許税
・不動産取得税
・火災保険料
・ローン諸費用※借り入れがある場合(融資手数料、保証料など)
不動産の購入経験が無ければどの項目にどの程度の費用が掛かるか分かりにくいと思います。それぞれ、計算式や相場があるのですが、概算で算出するなら各銀行が提供しているシミュレーターがお手軽です。ただし、事業用ローン返済のシミュレーターではないので参考程度にお使いください。(例:住信SBIネット銀行|住宅ローン新規借入シミュレーション http://urx.red/x6vm)
【運営コスト】
・管理・修繕費
・固定資産税、都市計画税
こちらはシミュレーションが複雑なので、ひとつづつ内容をご説明します。
◆管理・修繕費
管理会社へ物件管理を委託している場合は管理会社への管理料の支払いが発生します。
この他建物外部、部屋の内部などの修繕費用や物件により、消防、水管理、エレベーターなど法令で指定された定期点検費用などが発生します。
また、区分所有のマンションを所有している場合は修繕積立や共用部分の管理費をマンション管理会社へ支払うのが一般的です。
◆固定資産税、都市計画税
固定資産税は所有する不動産(土地・建物)に課される税金で下限は固定資産税課税標準額に対して1.4%です。都市計画税は不動産が市街化区域内にある場合に課される税金で上限は固定資産税課税標準額に対して0.3%です。※掛け率は自治体によって異なる。
それでは、追加の条件を下記の様に仮定して、実質利回りを計算してみましょう。
<条件>
物件名:Aハイツ
総戸数:10部屋
間取り:1K
販売価格:60,000,000円
年間家賃収入:6,000,000円
管理料:家賃の5%
仲介手数料:2,000,000円
印紙税:30,000円
司法書士手数料、登録免許税:1,200,000円
不動産取得税:1,350,000円
※空室なし、工事費なし、ローン返済なし、所得税・住民税なし
◆実質利回りを計算
実質利回り(%)=実質家賃収入÷実質物件価格×100
実質年間家賃収入=5,460,000円
(年間満室家賃-管理・修繕費用-空室損)-固定資産税-都市計画税
(6000,000-0-300,000)-240,000(仮)
実質物件価格=64,580,000円
購入価格+仲介手数料+印紙税+司法書士手数料+登録免許税+不動産取得税+リフォーム費用 ※購入費の全経費
60,000,000+2,000,000+30,000+0+1,200,000+1,350,000+0
実質利回り(%)=8.4%
5,460,000÷64,580,000×100
となり、表面利回りの計算結果が10%に対して実質利回りは8.4%と運営コスト分利回りが下がっています。物件購入時に借り入れをしていたり、工事代などが発生したりした場合、更に利回りは下がりますが、概算の場合は借り入れをする場合の試算を織り込む程度で十分です。
もっと精緻な計算を行いたい場合は、管理会社に工事状況やレントロールと呼ばれる入居状況が分かる資料をもらって、空室期間や工事費用等を加味して、計算してみましょう。
今回のまとめ
不動産投資をする際に儲ける手法を2つご紹介しました。
①家賃収益で儲かる(これをインカムゲインといいます)
②物件を購入して転売し、その差益で儲かる(これをキャピタルゲインといいます)
また、どちらの手段にしても「利回り」という指標を確認する事で、求める収益を物件から得られるのか判断する事ができることと、その計算方法をご紹介しました。
次回は、「投資物件を購入してから売却するまでを見る」という事がより精緻にできるようにキャッシュフローについてご紹介していきます。次回は賃貸経営の重要な部分になります。